メニエール病で耳がイカれたため、8月の終わりから吹奏楽団を休んでいます.
あんまり迷惑かけてばかりではいけないので、9月には曲の解説書を作ってみました.
N親分には喜んでもらえたのですが、団員のお役に立てたか否かはよくわからんのよ...
今は、次のステージでの曲の選曲と楽譜作りの作業を進めています.
選んだのんは「テレマンのアリア」.
元々は「Magnificat, "Meine Seele erhebet den Herrn", TWV 9:18」の6曲目「Der Hungrigen fullet er」なるアリアです.
「テレマンのアリア」として知られるようになったのは、指揮者のRedel, Kurt による演奏が元のようです.
この演奏の CD は市販されており簡単に手に入ります.
メロディーがはっきりしている.
速い動きがない.
テンポの変化がない.
息が足りなくなるような長い音符がない.
ないない尽くしなので、うちの楽団でもなんとか出来そうだ、と考えています.
気がかりなのは「ホ短調」なこと.
アルトサックスさん、頑張ってね(^Q^)//.
楽譜を作る時は、奏者の顔と音を思い浮かべ「この人はこの指回しなら出来るだろう」と考えながら譜面を打ち込んでいます.
楽団のアルトサックスさんは二人とも上手なので大丈夫でしょう.
バロック名曲集
ユニバーサル ミュージック クラシック
¥ 1,000
もう1曲、ビゼーの「アルルの女」第2組曲より「間奏曲」.
こちらはN親分よりの推薦です.
「アルルの女」は元々が小編成オケに作られたもので、アレンジして演奏しやすいと思い、狙っていました.
演奏時間が短いのもポイントなのよ.
こちらは変ホ長調.
出てくる臨時記号も♭が多いので、指回しも大丈夫でしょう.
なんて思いながらもいつも困らされているので、やはり奏者の顔と音を思い浮かべ楽譜作りなのです.
指回しに困りそうな人たちの楽譜を簡単にしていきます.
あんまり簡単にしすぎてもつまらないので、多少は難しそうな箇所や、目立てるような箇所も入れてやります.
テレマンについては楽譜がなく、まー、頑張って作りました(^Q^;).
ビゼーについては出版譜が3種類あるようです.
1880年にChoudens社が出版したモノ.
1885年の同じくChoudens社の改訂版.
1905年のBreitkopf社の再版.
こいつらは少し編成が違います.
Choudens版は、
フルート×2
オーボエ×2
クラリネット×2 (B♭管)
バスーン×2
アルトサックス
E♭管ホルン×2
F管ピストン式ホルン×2
ティンパニ
ハープ
弦5部
Breitkopf版は
フルート×2
オーボエ×2
クラリネット×2 (B♭管)
アルトサックス
ファゴット×2
ホルン×4 (F管)
(トランペット×2 (B♭管) ・・・ 第2オーボエ、第3ホルン、サックスなどの代奏用)
(トロンボーン ・・・ 第4ホルン、第2ファゴットなどの代奏用)
ティンパニ
ハープ
弦7部 (バイオリンの1パートとビオラの1パートはハープの代奏用)
はかせが注目したのは、ホルンパートの違い.
前者はE♭調のナチュラルホルン2台と、F調のバルブホルン2台、となっています.
中間部のメロディーはバルブ付ホルンの担当です.
後者はF調のバルブホルン4台、と現代のオケそのまんまです.
この10~15年の間にF調のバルブホルンが浸透していったのかしらん.
ホルンパートにバルブ有りとナチュラルの指定があるのんを見つけたら、トランペットにも注目してみましょう.
この曲には登場しませんが、組曲中にはトランペットやコルネットが登場する曲もあります.
そんな曲では、コルネットの譜面には Pistons en LA、トランペットの譜面には Trompettes in LA と書かれています.
コルネットの譜面は半音などのあるメロディアスなパート、トランペットはドソドミの音だけの単純なパートのようです.
(まだ全部見てまへんねん.)
この時代はまだ、トランペットはバルブ無し、コルネットはバルブ有り、と別の楽器で別の扱いであった事が分かります.
それでもバルブ無しのトランペットの音が欲しかったのかしらん?
よっぽどにバルブ無しのラッパって魅力的な音だったのかしらん?
ファランドールのトランペットの譜面から使われている音を抜き出してみました.(記譜上の音です.)
真ん中の「ミ」や下の「ソ」が出てきていますね.
これは現在のトランペットではバルブ無しでは吹けません.
どうもこれは長管 (細管) のトランペットのようです.
トランペットの細さのままの管をトロンボーンと同じ長さで巻いてあるアレですね.
長管 (細管) のトランペットは、運動性を身につけたバルブ付コルネットでは置き換えられない音色を持っていたんでしょうね.