はかせは京都のとある大学の図書館で働いています.
大学図書館ともなると、館内には貴重資料室なんてものがあったりするのですよ.
たまに、ほんのたまにですが「貴重資料室内の本を閲覧したいよ」なんて物好きな学究心旺盛な方が来られます.
そんな際には貴重資料室担当のはかせが応対することになります.物好きさん学究心旺盛な利用者氏に書いてもらった「貴重資料閲覧願」の書類求めに応じて地下に設えてある貴重資料室のさして厳重でない鍵を開けて必要な本を取り出してきます.
閲覧願いの書類はたいていの方がテキトーな事しか書いていなかったりなのが常でして、
ほとんどがID番号とか請求記号とかしか書かれてないのよ.
そんなんなので、本にご対面するまでは目的の本が何か分からなかったりなのです.
今回の貴重書庫の目的の本は「The Tatler」でした.
_ 「The Tatler」は18世紀初頭のイギリスの古い雑誌で、この世の雑誌草創期に刊行されたものの代表的なものの一つであり、英文学史ではけっこう重要なものです.
写真はうちの図書館の貴重資料室にあるtatlerのキュミレート版です.
誌名の「tatler」は「tattler」から採られたものです.
「tattler」は英和辞典でひくとキアシシギ (水鳥の一種)」が出てきますが、
他にも「おしゃべり屋さん」の意味があります.
その名の通り編集者が好きなことをいろいろ語りまくる雑誌だったんでしょう.
Vol.1: Nos.1-78. (xxxvii,590pp.) Vol.2: Nos.79-183. (xiv,539pp.) Vol.3: Nos.184-272. (xiv,563pp.) The Tatler=「おしゃべり屋」1709年4月12日から1711年1月2日までR.Steeleが刊行した週3回発行の定期刊行物. J.AddisonおよびJ.Swiftが協力した. 内容は次にこのあとを受けて現れたThe Spectatorと同じく、主として当代生活の批判・感想であり、勃興してきた小説およびエッセイ文学の先駆をなした. (研究社:英米文学辞典)
http://ogawatosho.jimbou.net/catalog/product_info.php/cPath/2000_2270/products_id/211353
その他、英文学に於ける草創期の雑誌については↓ここ↓に詳しく書かれています.http://www.wul.waseda.ac.jp/PUBS/fumi/13/13-16.html
「The tatler」についても書かれていますね.
_ 賢明な読者の皆様はもう察している筈とは思いますが、
たいへん日記の置いてあるディレクトリ「tattler」はこの雑誌のタイトルから拝借したものなのですよ...
はかせがこの日記を始めた時、日記を置くディレクトリ名を何にしようと迷っていたのです.
その時にちょうどこのThe tatlerが納品されてはかせの机の上にあったの.
「これにしよー」
と言うことで「tattler」なのです.
以前にドメイン名をつける必要が出来た時にも何にしようか困ってしまい、その辺にあったカエルを見て「これにしよー」なんててきとーにドメイン名を決めてしまった事もあったのよ.
グダグダと書きましたがそんな事を思い出したと言うことだったのでした.
出張のため1週さぼってしまいましたが吹奏楽団の練習にちゃんと出かけています.
市の音楽祭が終わって次の演奏会へ向けての練習が始まっているのですよ.
演奏会とは言っても、公民館でいろいろやっている団体が集っての発表会です.
吹奏楽以外は料理クラブ、書道クラブ、詩吟クラブ、落語クラブなどなど、ほんとにごちゃ混ぜのわけわかめな発表会なのです.
観に来るお客さんもそんな××クラブの人たちなので、大曲は演奏できないのです.分かりやすい短い曲を選曲しないといけないのですよ.
_ 今日の練習は気持ちよかったです.
演奏会直前と違い参加人数が少ない事もあり、先生が細かいところまで指導してくれるのよ.
珍しくバスーンパートにまで丁寧にメロディの吹き方を指導してもらえました.
これは嬉しい.
本来は同じようなパートを受け持つ楽器のユーフォニウムさんやテナーサックス君たちがいてるとバスーンの音が聞こえなくなってしまい、指導も何もしてもらえなくなる筈なんですが、そこは参加人数の少ない寂れた練習日、必然的にはかせのぽこぽこな音色でも目立つことになり、いろいろと指導をいただけるのですよ.
ちょっと嬉しい(*^Q^*).
指導をつけて貰えても貰えなくても嬉しいのが主旋律パートが回ってきた時.
いつもは主旋律が回ってきても底の方でぽこぽこ吹いてるだけなのですが、今日に限ってはすべてソロ.
気持ちいい(*^Q^*).
思いっきり抑揚つけて吹きまくりましたよ.
ちょっと気持ち悪いビブラートになってしまった鴨.
metroさんの書かれたIKEA開店後8ヶ月 / 引き算で価値を高めるを読んで思ったこと.
「IKEA」とは首都圏にある家具屋さんのようです.
この家具屋さんで売られている商品になかなか素晴らしい工夫があるようで、IKEA開店後8ヶ月 / 引き算で価値を高めるにてmetroさんが写真付きで詳しく紹介しておられます.
足元に切り欠きを入れることで巾木をよけてピッタリと壁に密着する本棚。
一番安いマグカップにもそういった工夫があります。切り欠きを入れることで、食器洗い機でも水が溜まらない。食器洗い機を使った時のカップの底に溜まる水って、ほんと、気になるんですよね。
写真を見るとなるほどなかなかうまく出来ています.
画像を転載するわけにはいかないのでmetroさんのページでご確認ください.
_ この記事を読んで思い出したのは、『老子』上篇の第十一章.
三十輻共一轂。當其無、有車之用。
挺埴以爲器。當其無、有器之用。
鑿戸■以爲室。當其無、有室之用。
故有之以爲利。無之以爲用。
漢文ではサパーリ意味が分からんので現代文訳を図書館で探してきました.
三十本のやが一つのこしきに集まっている.そのこしきの中心の何もない穴で車のはたらきが生じる.
粘土をこねてうつわを作る.そのうつわの中の何もないところでうつわのはたらきが生じる.
戸や窓をくり抜いて部屋を作る.その部屋の何もない空間で部屋のはたらきが生じる.
だから、形有るものが役に立つのは形無きものが[根底で]はたらいているからだ
はかせはこれを高校生の時に古文だったか倫理だったかの時間で教わりました.
それまで中国の古典思想に触れたことがほとんどなかったはかせはこの老荘思想にほんとに驚いたものです.
ものって、ものの中でも何も無いところが実は役に立ってるんだぞ、と.
茶わんの役に立っている部分って陶器の部分ではなくて陶器で仕切られた何もない所なんですね.
で、IKEAの茶わんや本棚.
本棚の背の欠けている部分や茶わんの底の欠けている部分に意味があるなんて、まるで老荘思想を形にした商品みたいですね.
_ 老子のことばを勉強していくうちに、この他にも
「大道廃れて仁義有り、智慧出でて大偽有り、六親和せずして孝慈有り、国家昏乱して忠臣有り.」(第18章)
「大上は下之有るを知るのみ.その次は親しみて之を誉む...」(第17章)
「...上徳は無為にして、以て為す無し...」(第38章)
などなどはかせの心を揺さぶるようなものに沢山行きあたりました.
老子・荘子に触れるようになってからははかせの音楽についての考え方も変わったかも知れません.
「音を鳴らす音楽ではなく音を鳴らさない音楽こそが最高の音楽だ」なんて事を今でも真剣に思っています.
私たちがいろんな楽器でぴーひゃらどんどんと奏でている音楽よりも、森の奧で何も音を立てずに自然に耳に入ってくる音こそが最高の音楽だと思っています.
_ 以前にhttp://kerop.info/tattler/diary200511.html#20051106aでも書きましたが、仮面ライダー響鬼の中でヒビキさんが
そんな時は森の中に入って耳をすますんだ.
樹のざわめき、川のせせらぎ、自然には全てのものに響きがある.
その響きを身体に刻むんだ.
って言ってくれてます.
あぁ、はかせが言いたいことをうまく言ってくれたよー.
仮面ライダー響鬼はとっても音を大切にした番組でした.
そんな番組の中で主人公が語ってくれたこのセリフはとっても嬉しかったのでした.
_ はかせは読んでも意味が通じませんが、ついでに読み下し文もあげておきます.
三十輻(ふく)一轂(いっこく)を共にす。その無なるに当りて、車の用有り。
埴(しょく)を挺(こ)ねて以(もっ)て器(うつわ)を為(つく)る。その無なるに当りて、器の用有り。
戸■(こゆう)を鑿(うが)ちて以て室を為(つく)る。その無なるに当りて、室の用有り。
故に有の以て利を為(な)すは、無の以て用を為(な)せばなり。
(v_v)ウーン.読み下してもサパーリ分からんぞ.
老子 ; 列士 / 麦谷邦夫訳 ; [本編] -- 学習研究社, 1983.3. -- (中国の古典 ; 2)
老子 ; 列士 / 麦谷邦夫訳 ; 別冊 -- 学習研究社, 1983.3. -- (中国の古典 ; 2)
※ 文中■で表した文字はunicodeの7256です.
しばらくメンテを放ったらかしている間にうちの志保ちゃんニュースアンテナで更新日時を取得出来ないサイトがいくつも出来ていました.
よくよく調べるとどーゆー訳なのかは知りませんが、Atomファイルの形式があちこちのサーバーで変更されていたようで、志保ちゃんがそれを読めなかったようなのです.
その部分をちょちょっと手直し...と言いたいところなのですが、ちょっと、ほんのちょっと前に書いたスクリプトなのに、何が書いてあるのか自分で分からないのよ(^Q^;).
そんなわけで「ちょっと」ではなく、じっくり時間をかけて修正いたしました.
取り敢えず今のところはちゃんと動いているようなので安心安心なのですよ(^Q^).
_ 職場でも先日来自分で書いたアプリケーションを修正する必要に迫られています.
これも同様、自分で書いたもののはずなのに、何が書いてあるのかさっぱり分からんのです.
辛いのです.
今日から冬休みなのです.
冬の楽しみと言えばスキー、と言うことでスキー旅行の予約してたのですよ.
でもでも雪が少ないのでキャンセルしちゃったの.
残念.
1月にでもお休みもらって行きます.
そんなこんなで予定のない冬休みなのです.
近江八幡市の近江八幡日牟禮ヴィレッジに行ってきました.
目指すはクラブハリエのバウムクーヘン.
滋賀県の友達がこのバウムクーヘンが最高だよと絶賛するのですよ.
「おいしいぞ」
「とてもバウムクーヘンとは思えないふわふわ」
「日曜日には午前中に売り切れる」
などなど.
そんな話を聞いて、これは行ってみるべし、との思いで行ってきましたよ.
まずは売り切れてしまう前に、とお持ち帰り用のバウムをゲット.
次いで併設の喫茶室日牟禮カフェへ.
タバコの煙が苦手なはかせには有り難いことに全席禁煙なのですよ.
頼んだのはお芋のお菓子「パタドドゥース」.
芋ぽくておいしいのです.
ふわふわです.
外周の砂糖衣がしゃりしゃりしてておいしい.
でもでもバウムクーヘンってもっとしっとりと重いもんでしょ.
ふわふわ感はいいもののしっとり感は全くないものでした.
これはこれとしておいしいものですが、バウムクーヘンとしてはイマイチと思ったはかせなのでした.
朝、外を見るといい天気なのです.
でもウェザーニュースの天気予報では雪が降るとの事.
電車に乗って北に向かうと宇治川を越えたあたりから雪がちらほらと.
京都市内に入る頃にはもう吹雪いていましたよ.
(写真に雪がよく写ってなかったです...)
わー、ウェザーニュースって予報がちゃんと当たるんやね、と大喜び.
Yahoo天気予報と結果が違っていたらウェザーニュースをあてにすることにします.
_ 帰宅してから雪の模様を調べていると、予約をキャンセルしたスキー場もけっこうな積雪があったようで全面オープンしたとのニュースが.
うーん(>_<)、キャンセルしなかったら日程の半分はスキーで遊べたなー.
なかなか判断は難しいところなのですよ