うちの大学にも、ラーニングコモンズが出来ているのですよ.
はかせ自身はラーニングコモンズを作るのんに反対していたのですが、はかせのような下っ端の意見が上の方に伝わるわけもなく、ラーニングコモンズが出来ていました.
学内でラーニングコモンズ立ち上げの話が出てくるより以前から、ラーニングコモンズ先発組の大学にいくつも見学に行きましたよ.
いわゆる上流の大学では、アクティブラーニングの発想に従ってラーニングコモンズが機能しています.
でもね、多くの上流でない大学では、ラーニングコモンズと冠した名前の施設が単なるラウンジとして機能しているのを見ました.
あるいは大学によっては、単なるラウンジに「ラーニングコモンズ」の名を付しているところもあります.
こう言う発想って、割り切っていて、吹っ切っていて、なかなか好きです(^Q^).
貴殿の学校にラーニングコモンズはあるや否? と聞かれた時に、「あるよ」と答えるだけのためのものです(^Q^;).
アクティブラーニングを行っているよ、そのためにラーニングコモンズ作ったよ、と言うためだけに、お金をたくさん使うのももったいないからねー.
ラーニングコモンズはアクティブラーニングとともに語られてきました.
まず、このアクティブラーニングと言うモノをはかせは好きではありません.
アクティブラーニングでは、知識を身につけることが目標ではありません.
集団の中で個人を一般化するスキルを身につけることを目標とした学習法です.
アクティブラーニングの普及は、財界から文部科学省や大学界への要請で進められてきた政策です.
勉強できる人よりも、仕事できる人を大学卒業生として生産してね、と言うくらいの要請です.
立場を考えるとね、財界の要請は、まー分かるんですよ.
勉強出来てもコミュ障な人間なんて欲しくないよね.
でもそこに乗っかってしまう文部科学省が安易すぎと思います.
大学はまず学問の府なのよ.
サラリーマン能力の養成課程ではないのよ.
もちろん文部科学省も、大学とは別な、職業人を養成する大学同等の課程を研究しています.
簡単に新しい制度が出来るわけでもないので、まだまだ実現はしていません.
で、現在の大学がどんどん就職予備校と化しているのよ.
で、大学生のほとんどは、学問の府としての大学に進学したのではなく、大卒の肩書きをもらってサラリーマンになるために大学に進学してるんですよね.
学問の府としての大学の意味はどこにいってしまったの?
アクティブラーニングとともに語られ出したのんがラーニングコモンズです.
でもね、アクティブラーニングそのものには、ラーニングコモンズなんていう施設が必要なわけではありません.
そりゃ、無いよりも存る方が良いでしょう.
ただ、そのラーニングコモンズには、可動式の机とか、ファミレス風の机とか、プロジェクターとか、プレゼンテーション用施設とかは必要ありません.
日本の今のラーニングコモンズって什器業界が作り出したものです.
節分の丸かぶりが海苔業界作り出したものと同様に、業界が商品を売り出すために作ってきたものです.
日本でのラーニングコモンズの走り出しの頃、ラーニングコモンズをテーマとした講演会に行った事があります.
演者は什器の業界の人でした.
演者さん、はっきりそう言ってましたよ.
あまり知られていない事ですが、「ラーニングコモンズ」はコクヨの商標です.
「アクティブラーニング」は岡村製作所の商標です.
そういった事情を知らない無邪気な大学の先生が、ラーニングコモンズやアクティブラーニングを推進させています.
保守的なイメージがある大学の先生達ですが、新しいモノに飛びついてしまう大学の先生もたくさんいるのですよ.
もちろん、アクティブラーニングを受け入れられず従来の教育方法を良しとする大学の先生もいます.
また、アクティブラーニングに対して客観的に評価し、ダメと指摘している大学の先生もたくさんいます.
そんな人たちの中には、アクティブラーニングなんてダメだよ、と声を上げて発信する気概のある人もけっこういます.
でもでも、文部科学省がこうしてね、と言うことには逆らえないのよ.
また、大学の経営者にとっては、目新しくきれいな施設は受験生を呼び込む良い材料です.
それがほんとに学問のためか、なんてあんまり関係ないのです.
よその大学にあるものがうちには無い.
そのために受験生から敬遠されるのは、経営者としてはすんごいダメダメな事なのです.
そんなこんなで日本中の大学でラーニングコモンズが増えているのよ.
大学が就職のための登竜門,というのは,うーんと昔の,私たちの世代の頃にはもうフツーの感覚だったような。何しろ学歴偏重社会ですからね(苦笑)。 <br>ただ,コイズミ政権時代の規制緩和で大学が粗製濫造されるようになって以降は,登竜門というよりも,まさにビジネスマン養成学校と化していますよね。 <br>というか,本来なら企業自身が新人を仕事人として育てるべきところを大学に押しつけている,と言った方が正解かも。コスト削減の片棒を大学に担がせているワケですね ;-P <br>と,本末転倒が今も繰り返されているンですね(悲 <br>
Toshiさま、いつもありがとうございます. <br>企業側の新入社員教育関連のコストカットは恐ろしいものです.企業だけでなく、大学自身も自分の大学で新人を育てるのをやめています.助手から採用して育てあげた生え抜きの教授なんて、もう出てきそうにないです.大丈夫なのかしらん?